DTM練習会@NF2016 ライナーノーツ

KMC・DTM練習会より、NF2016で発表する楽曲の作者による解説をお送りします!


1.Over the Elec
  作曲/編曲:amool
 作曲者のamoolを知る筆者amoolがコメントをしてみる。
この曲は某音ゲーのコンテストに応募するため、〆切一週間前から作ったものらしい。集中力のないamoolにはかなりキツかったようである。
とはいえサビのメロディはもともと考えていたという。DTM練習会での課題「秋っぽい曲」のために考えたものであったようだ。amoolは秋を一体何だと思っているのか。
 それはまあいいとして、サビを起点にしてこの曲が作られたことは明白だが、メインはそこではないようである。そう、ベースによるスラップだ。まずはこのあたりに言及したい。
Aメロから突如ベースがしゃしゃり出るわけだが、ここはほとんどベースとドラムが音を適当に散らしている。散らすためにスラップをチョイスしたのである。
曲は普通の4拍子のため、なんとなく音を散らして音ゲーを意識したのであろう。jubeatを軽くさわったこと位しかないamoolには、音ゲー=リズムに合わせて叩く くらいの発想しかないのだろうが、浅はか極まりない。
さらに曲が進むと、サビに近づくにつれて音が増えていく、アゲていくスタイルである。Bメロは短いがamoolは地味に気に入っているらしい・・。筆者が思うには、もう少し音を減らしてサビを引き立てるのもよかったのではと感じる。
そしてサビに入ると、それまで散らしていた音を一気に単純にしてメロディを聴きやすくしているようだ。
アウトロはまたベースだが、最後の2小節のベース、これが一番ベースらしい。ここ以外はすべて飛ばして聴かなくてもいいといっても過言ではない。過言である。
 最後にイントロの説明を残しているが、amoolはイントロを考えるのが苦手らしい。今回の曲はあがっていく感じのイントロである。800nmという曲のイントロっぽくしたかったようだが・・・。
 全体をまとめるとベースメインの部分と、シンセメインの部分で構成されており、ピアノがところどころ入る感じになっている。というかamoolは隙あらばすぐピアノをねじ込もうとする。
どうやらピアノを入れないと死ぬ病気になってしまったようである。
 ところでこの曲のタイトル「Over the Elec」。たぶん浅い意味すらない。amoolは、特にインスト曲はタイトルを考えるのが猛烈に苦手である。
今回もこの意味不明なタイトルをつけるのに2日かかったという。elecって何なんですかね・・・。electronicの省略形?「elecを超える」?わけがわからない。
 amoolはすぐ曲を展開させようとする癖があり(BGMとしてはいかがなものか)、この曲も御多分に洩れずパーツが組み合わさってできています。
異なる雰囲気の部分がいくつかあるので、どこか一か所でも、コンマ数秒でもなんとなく良いなという瞬間を感じていただけたなら、作者冥利に尽きます。

2.1000度と踊る場所
  作曲/編曲:opesan
 2016NF展示・配布ゲーム「紫伝」ステージ3(*1)の道中曲です。
このステージは火山洞窟なので、重く薄暗い感じの曲です。というかメト○イドっぽい曲が書きたかった。
バックには低い男性合唱を鳴らし、カンカンと打楽器を等間隔で打ち鳴らすことで、マグマに囲まれた空間を表現しています。
辺鄙でアウトローな場所に集う生物達が主題と言うことで、コンガ、ボンゴ系の民族打楽器をバックで鳴らしてます。
メロディーは思い切ってベースを持ってきて、途中からシンセ系の音でちょっとレトロなゲーム感を出そうとしてます。

3.The Paradox City
  作曲/編曲:tron
 何故か人を惹き付ける世界、そこを舞台に繰り広げられる戦い。ゲーム「紫伝」Stage2(摩天楼) (*1)BGM……ということで、光と闇を孕んだ夜の 大都会を彩るための楽曲です。
ディレクター(opesan君)から「オシャレな曲」と言われていたので「オシャレと言えば」でサックスを主旋律にし たり、戦いを描くべくドラムを激しめにしたり、シンセのシーケンスで近未来を表現したり……と、まさにこのゲームのために作った、という曲。
 聴きどころはやはりサックスのソロ。tronは何らかの楽器のソロが大好きなのです。
ゲーム内で使われるバージョン「The Paradox City(Shiden edit)」はSoundCloudにアップロードしてあります。

4.Proton Water
  作曲/編曲:kyp
 ただの水じゃない!私の元気分も入ってる、名付けて陽子水だよ!
 
――透明さは純粋を、流動は退屈を意味しない。何の溶け込んでいるか分からない、透明で輪郭のない音楽を注意深く味わって欲しい。

5.ahead it
  作曲/編曲:keji
 スタッフロールと共に流れるエンディング曲を聞くときの、
達成感と心地よい疲労感、少しの寂しさを思い起こしながら聞いて頂ければ幸いです。

6.Space Fighter Resurrected(NF2016 Ver.)
  作曲/編曲:tron
 「あなた」と己の在処を問いながら宇宙を征く戦士の姿を描いた楽曲。C90で発表した「Space Fighter Resurrected」をリアレンジしたものになります。
大本は高校生の頃に作った楽曲。サビのメロディがとても気に入っています。今回はそこにシネマティックなSEやボイス、生ドラム音色を 使ったフレーズを入れてみました。
短めで展開もあまりないので、次また作り直すなら5分くらいにして、いくつも展開がある、そんな曲にしよ うかな。

7.花弁
  作曲:amool/opesan 編曲:opesan
 2016NF展示・配布ゲーム「紫伝」ステージ4(*1)のボス曲です。川での決闘という感じの曲。
緩急を付けたかったので最初は琴のゆっくりとした旋律をイントロにし、テンポが上がって和太鼓の気持ちのいいリズムとともにサビが始まるようにしています。
最初のメロディはamool君が作曲してくれた道中曲を使っています。和笛っぽい音は実はフルート。エレギギターをバックに入れて、和ロックを醸し出してます。
途中は和太鼓を前面に押し出し、ピアノで清流の美しくも荒々しい流れを表現。
同様のコード進行を繰り返しつつ楽器を増やしていき、大サビは王道のトランペットで力強い主旋律を奏でています。

8.Mission
  作曲/編曲:asRagi
 シンセベースとスラップベースがびょんびょんする曲です。ナウい曲が作りたかったのですがどこか懐かしい感じが残りました。
イントロフレーズのリズムが"あんたがたどこさ"になっているので是非そこだけでも聴いてください。
中盤のギターソロもちょっと頑張って弾いています。聴いてくれ!!!!

9.nightwalk
  作曲/編曲:kebus
 ドーモ、トリを飾ることになったkebusです。この度は曲を聞いていただきありがとうございます。
この曲はハロウィンっぽい曲を!という課題で作ったのに多少手を加えたものです。もう少しポップにする予定がめちゃくちゃ暗く…。後半明るいのはその反動だと思っていただければ。個人的には鐘が好きです。ペーパーマリオRPGのランペル戦が念頭にあります。曲の雰囲気は全然違いますが。
ピアノはKeyzoneを、その他はVSCOを使ってます。Keyzoneはいいピアノ系音源なのでぜひぜひ。
この曲が気に入ってくださればなによりです。ではまたどこかで会いましょう。

総括
 tronです。この度は「DTM練習会@NF2016 ライナーノーツ」をお読みいただきありがとうございます。
このライナーノーツ、私が突然言い出したことだったのですが、こんな無茶ぶりに答えてくれた各メンバーには感謝が絶えません。
特にamool君は凄く気合の入った長文を書いてくれました。Web版では全て掲載してあるので、その熱い思い(?)を受け取ってください。
そして、ライナーノーツを読んだら、我々の音楽を聴いて(あるいは聴き直して)楽しんでいただければ幸いです。
またどこかでお会いしましょう。ありがとうございました!
 
*1…体験版には未収録
※CD内のReadmeには記載されていませんが、「The Paradox City」は本CD収録の「紫伝」体験版では未使用です。お詫びして訂正いたします。
 
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